4回目 ジャルジャル「ジャルジャルポーズ漫才」の革新性について

ジャルジャルはM1-2017敗退後に開催されたTHEMANZAIにて、自己紹介漫才を披露しました。番組ではウーマンラッシュアワーが日本の時事問題を取り上げた漫才が話題となっていますが、ジャルジャルの自己紹介漫才はとても新しい漫才だったのでまとめていきたいと思います。

自己紹介漫才とは

ジャルジャルの自己紹介漫才は、漫才前のコンビ名を名乗るときにフリをつけようという始まりです。福徳が「ジャルジャルでーす」の掛け声と共に両手の親指で自分を指す、なので後藤は隣で指をさすように指示します。福徳ばかりが目立つフリに、後藤は均等になるように動きますが、福徳はいろいろな手を使って自分ばかり目立とうとする、という漫才です。

革新的な部分(ツッコミ不在のダブルボケ)

前半は説明した通りのオーソドックスな展開展ですが、中盤から「ガソリンスタンドでバイトをしていたときの変な客」のコントの展開になります。福徳はコント中に、中盤以前の目立つジャルジャルポーズを行い、後藤も負けじとジャルジャルポーズを連発し、ガソリンスタンドのコントをベースにジャルジャルポーズのやり合い、という漫才が展開されます。

この漫才の序盤はダブルボケはダブルボケなのですが、ツッコミ不在のダブルボケという構造になっています。ツッコミ不在のダブルボケはAマッソやメンバメイコボルスミ11、ダウンタウンの「あ研究家」などがありますが、ツッコミ不在の欠点として一部の観客が理解することができず笑えなくなってしまうという点があります。

ジャルジャルの自己紹介漫才は「ボケがやたらと目立とうとする」前半の漫才部分がフリにすることで、いやであるからこそ、後半の「コントのなかでどちらが目立つか張り合いになる」というツッコミ不在であってもわかりやすく、観客をうまくリードできていることがわかります。ツッコミ不在となるダブルボケでありながら観客をリードし続ける前半フリ後半ボケの構成はとても考えられていると思います。

さらにジャルジャルの自己紹介漫才では最終的に後藤が「どんな状況やねん」といってツッコミをいれて漫才を終えることでギリギリ漫才の形に引き戻しています。

漫才とコントの融合

この前半漫才フリ後半コントボケの構造は新しいコント漫才の形といえると思います。今までのコント漫才は「~がしたいんだよね」といってコントの状況に入っていくものが大半で、コントへ展開する必然性というものが描かれていませんでした。(笑えればなんでもいいといわれそうですが、やはり漫才は漫才の特性を、コントはコントの特性がいかされたものが評価されるべきだと思います。)

前半の漫才部分では「ポーズで自分だけ目立とうとする福徳に後藤がツッコむ」という漫才です。ここで二人の関係性は、本来の漫才の関係性である「間違ったことを言うボケに対して、正しいツッコミがツッコむ」という「修正」の関係性でありながら「目立とうとするボケに対して、もっとボケようとする」という「張り合い」という関係性としても成立する状態を作り上げることに成功しています。そして後半のコント部分では「ツッコむ」のではなく「張り合う」という関係性を継続させます。

まとめますと、ジャルジャルの自己紹介漫才の革新的なところは、前半の漫才「ポーズで自分だけ目立とうとする福徳に後藤がツッコむ」でツッコミとボケの「修正関係」と同時に、目立ちたい同士の「張り合い関係」という関係性をつくり、後半のコント漫才であえて本来のツッコミとボケの「修正関係」ではなく、目立ちたい同士の「張り合い関係」をエスカレートさせた。

漫才にある「ツッコミとボケの「修正関係」」をうまく、ツッコミ不在のダブルボケ状態である「張り合い関係」に移行させたため、ツッコミ不在でも違和感のない新しいコント漫才となった、といえるでしょう。

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