演奏動画「でれない VJ remix」の方法論、ラバーズ・ラヴァーの映像性質@木曜トポロジーsight296

演奏動画「ドラの部屋」の方法論

sight296(映像・福居ショウジン&演奏イツロウのバンド)の曲のひとつ「でれない VJ remix」は、既存のVJプレイの枠には当てはまらない方法で演奏される。

福居ショウジンは自身のVJプレイを「演奏動画」と呼んでいる。通常のVJは音楽にあわせて、音の印象や質、メロディに応じて映像やエフェクトを使い分けていく。当然そこにはストーリーや物語のようなものはなく、あくまで音楽を効果的に演出する映像という枠にとどまっている。福居ショウジンの言う「演奏動画」は自身の作品を、即興の演出によって再生していく。フィルム室で即興で編集し流してしまうような即興編集のようなイメージかもしれない。

さらに「でれない VJ remix」はユニークなアイデアが取り入れられている。VJは通常、複数の映像チャンネルをPC内で再生しながら、スイッチングで映像をきりかえてプレイする。福居ショウジンは自作の「でれない」の編集前の素材映像を2つのチャンネルに再生し、リアルタイムでそのふたつをスイッチングし、演奏動画作品にしていく方法をとっている。通常の映像作品は、異なる現場で撮影した映像を編集しひとつの作品に仕上げるが、それをライブで行ってしまう作品だ。

ラバーズ・ラヴァーの映像性質

チャンネル1、チャンネル2の映像スイッチングによって動画を演奏していく、という新しいVJスタイルであるが、重ね合わせる映像の相性も存在するだろう。映画でも同様に、カット割りによっては映像素材が生かされないこともある。

先日行われたラバーズ・ラヴァーとピノキオ√964を映像素材としたVJプレイは映像の相性が抜群によかった。ラバーズ・ラヴァーには無機質なマシンの映像が多様されている。そしてモノクロなので、どの映像エフェクトとも相性がいい。

登場人物の肉体の躍動も、ライブで流される音にまるで連動しているかのようであった。ラバーズ・ラヴァーの映像はカメラの画は停止しているが、登場人物はせわしなく動いているシーンが多い。なので映像効果によって、肉体がけいれんしているかのような映像に変えることができる。

無機質と有機質、静止と躍動、ラバーズ・ラヴァーを使用したVJは、既存のVJプレイの方法論とはまったく別の領域で進化していることを実感するものだった。

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