現実は小説よりも奇なり|ドラマ版『夢を与える』雑記

WOWOWで放送されたドラマ版『夢を与える』を鑑賞した。

もともと小説で読んだことのあった作品だったが、小説とは内容がかなり異なっていて楽しむことができた。

小説では、主人公がある事件をきっかけに、まったく別の感情が芽生えていく、主人公に焦点を絞った内容であった。

しかしドラマ版では、TV番組を制作する人間模様も描かれ、メディアの暴走という点に焦点が当てられていた。

リヴェンポルノ被害に会った主人公は、TV番組の生放送に出演することになり、司会者や観客、視聴者にさらに追いつめられていく。

彼女はスタジオを飛び出し、TV局の屋上から飛び降りてしまう。それらはすべて生放送で放送されている。

地面に番組コマーシャル用のクッションがあり、一命をとりとめることができた。

周りにいたスタッフや聴衆は安堵の笑みを浮かべる、全員感覚が麻痺してしまっているとしかいいようがなかった。

その姿をみて、主人公は滑稽に思ったのかわからないが、思わず笑ってしまう。

全員感覚が麻痺してしまっているとしかいいようがなかった。といったが、現実においてもTVの倫理はほぼ崩壊している。

女優が突如引退し、出家するという報道が発表されたときも、おもしろおかしく取り上げていた。

小説が発表された当初は、あくまでフィクションの事件であったはずなのに、もはや当たり前の日常になっている。

番組制作者や視聴者はそれらを毎日消費して忘れていく。

人の人生の一部をメディアで「消費」する、というテーマは「トゥルーマンショー」に似ている部分があると感じた。

しかし「夢を与える」および現実のほうが歪な社会となっていることが興味深い。

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